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消すだけだと復活するデータの話: ゲームセンターと除外ルール

公開: 2026-07-25 · #99 / 最終更新: 2026-08-10 個人開発データ整備失敗談子連れスポット

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ツール工房.ai では、0〜6歳の子ども連れで行けるおでかけスポットを地図で探せるツールを公開しています。公園や動物園、児童館などを載せているのですが、ある晩のデータ取り込みで、この地図にゲームセンターが紛れ込みました

原因は、元にしている外部の地図データ側で、その施設に付いていた分類の札が実態と違っていたことです。私の取り込み処理は札を信じて拾うので、札が違っていればそのまま入ってきます。子ども向けの地図に、ゲームセンターがテーマ施設の顔をして並んでいる。これはまずい、とすぐ削除に動きました。

今回は、このとき「削除するだけでは済まなかった」話をします。

消すだけでは、次の取り込みで戻ってくる

このツールのスポットデータは、私が一件ずつ手で集めているわけではなく、外部の公開データなどから自動で集めて、公開用の一覧に作り直す仕組みになっていました。新しいスポットが自然と増えていくのが良いところです。

ところが、この「作り直す」というのが曲者です。データを更新するたびに、外部から集めた元データを読み込み直して、公開用の一覧を組み立て直す。つまり、組み立てた後の一覧から手で削除しても、元データ側の間違った札が直らない限り、次の取り込みでまた堂々と入ってくる構造なのです。

外部データの誤りは、こちらからは直せません(正確には直す方法もあるのですが、反映されるまで待つことになります)。ということは、消すという一回きりの作業では足りない。「入ってきても弾く」仕組みを自分の側に持つ必要がありました。

「削除した結果」ではなく「削除するルール」を残す

そこで、削除するのと同時に、データを組み立てる処理そのものへ「この名前のスポットは入れない」という除外ルール、いわゆるブラックリストを組み込みました。対象の施設名を、表記ゆれも含めて数パターン登録してあります。

完成品の一覧から手で消すのは、言ってみれば「掃除した部屋の状態」だけを残すやり方です。部屋を毎回ゼロから作り直す仕組みの中では、掃除の結果は次の作り直しで消えてしまいます。残すべきは「この名前のものは部屋に入れない」というルールのほう。ルールを組み立て処理の中に書いておけば、元データに何が残っていようと、作り直すたびに自動で弾かれます。実際、それ以降この施設は戻ってきていません。

ややこしいのは、同じ系列の名前が、別の経路からは正しく入っていることです。ゲームセンターにスポーツ遊具の遊び場が併設されている店舗は、公式の店舗一覧から「室内遊び場」として意図的に収録しています。弾いているのは「外部地図データの誤った札で入ってくるぶん」だけ。地図に同じ系列の名前が残っているのは、そういう理由です。

ルールには、その後も仲間が増えた

この除外ルールには、その後も追記が続いています。あとから見つかった閉業済みのプール、元データの登録ミスとしか思えない名前、実体のない合成された名前。「一度消しても戻ってきそうなもの」を見つけるたびに、リストに足しています。

地味に効いているのが、ルールにコメントで「いつ・なぜ除外したか」を書き添えておくことです。実際のリストには「公園データの点検で確定(復活防止)」のような添え書きが日付つきで残っていて、後から見返したときに「なぜこれが入っているんだっけ」で悩まずに済んでいます。

ただし正直に書くと、これは名前の一致で弾く素朴な仕組みです。消えるのは、私がリストに書き足した名前のものだけ。別の名前で同じ種類の間違いが入ってくれば、また見つけて足すことになります。完全な自動判定にはできていません。

自動でデータを集める仕組みの宿命かもしれない

今回の件で感じたのは、データを自動で集める仕組みには「人間の手作業の修正が、自動処理に上書きされる」という宿命みたいなものがある、ということです。

自動収集はありがたい仕組みです。私一人では、全国のおでかけスポットを集めきることはとてもできません。ただ、自動で集めたデータには、どうしても場違いなものや間違いが混ざります。そして、それを見つけて直すのは結局人間です。

このとき、人間の修正を「完成品への上書き」でやってしまうと、次の自動処理でせっかくの修正が流されます。修正は「処理へのルール追加」という形で残す。手作業と自動処理を共存させるには、この置き場所の区別が大事なんだと、身をもって学びました。

似た構造は、開発以外にもある気がします。たとえば書類のひな形から毎回作り直す運用で、完成した書類のほうだけ直しても、次にひな形から作ればまた同じ間違いが出てくる。直すべきはひな形のほう、という話と同じですね。

なお、その後この「自動で集めて作り直す」仕組み自体を作り替えて、いまは新しく見つかったスポットを人のレビューを挟んでから地図に載せる形にしています。それでも「除外はルールで持つ」という考え方は、そのまま生きています。

振り返り

一連の対応は、AIに相談しながら進めました。データを組み立て直す処理の構造を一緒に追いかけてもらえたので、「消すだけでは戻ってくる」という見当が早くつきました。非エンジニアの私が一人でコードを読んでいたら、消して・戻られて・また消して、と本物のゾンビ戦をやっていた気がします。

教訓を一行でまとめると、こうなります。データは「削除した結果」ではなく「削除するルール」を残さないと戻ってくる。

地味な学びですが、自動でデータを集めて公開する仕組みを持っている人には、けっこう普遍的な話ではないかと思っています。


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