← 制作記一覧へ

定価って、全部の商品にあるものだと思っていた

公開: 2026-07-11 · #85 / 最終更新: 2026-08-10 個人開発子育てグッズ比較表データ整備

📌 記事の取り扱いについて(公開当時の内容を含みます — タップで詳細)

本記事は公開当時の体験・気づきをまとめたものです。現在のツール数・プラン数・対象年齢・記事数・仕様とは異なる場合があります。最新の内容は各ツールページをご確認ください。ツールや外部サービスの仕様・料金は変更されることがあるため、利用前には各公式情報も併せてご確認ください。記載に誤りを見つけられた場合はお問い合わせフォームよりご連絡いただけると助かります。

キッズ集のチャイルドシート比較ページを見直していて、ずっと気になっていたことがありました。値段を確定できておらず、「価格調査中」のような仮の表示になっている製品が、ところどころあるのです。

比較表なのに値段が入っていないのは、正直かっこ悪い。調べ漏れだろうと思って、金額の入っていない製品を一つずつ、メーカーの公式サイトで確認していくことにしました。

金額を埋めるつもりが、埋まらない理由を知った

公式サイトを順番に見ていって、途中で手が止まりました。探しても探しても、値段が書いていない製品があるのです。

最初は「載せ忘れかな」「ページの奥のほうにあるのかな」と疑いました。でも違いました。よく読むと「オープン価格」と書いてあります。聞いたことはある言葉だけれど、意味をちゃんと考えたことはありませんでした。

調べて分かったのは、オープン価格とは、メーカーが希望小売価格を設定せず、販売店が値段を決める方式だということ。つまり「メーカーとしての定価」が、そもそも存在しません。

定価って、全部の商品に当たり前にあるものだと思っていました。オープン価格の製品については、金額が入っていなかったのは調べ漏れではなく、「無いものは書けない」だけだったのです。

分かったのは3種類あるということ

一通り公式サイトを回り終えて、値段の事情は3つに分かれると分かりました。

  • 公式の金額を確認できた:メーカーの希望小売価格や、公式ストアの通常の販売価格など。確認できた金額を載せられる
  • オープン価格:メーカーは値段を決めず、お店が決める
  • 定価を見つけられなかった:公式サイトを見ても、定価の記載にたどり着けない

同じ「金額なし」に見えても、中身はぜんぶ違います。オープン価格と、見つけられなかったものも、似ているようで別物です。前者は「決める人がメーカーではない」とはっきり言い切れます。後者はそうではなくて、値段が決まっていないのか、どこかに書いてあるのに私が見つけられなかっただけなのか、こちらからは判断がつきません。

「調査中」のまま放置しない、と決めた

ここで考えました。分からなかったものを曖昧な表示のままにしておくと、見た人は「このサイトが調べていないだけ」と思うでしょう。実際、私も最初は自分の調べ漏れだと思っていたのですから。

そこで表の表示を、調べて分かった3通りに合わせて分けることにしました。金額を確認できた製品は金額を、オープン価格の製品は「オープン価格」と、定価にたどり着けなかった製品は「公式で確認」と表示します。

3つめを「非公表」と書かなかったのは、それが言い過ぎだからです。私に見つけられなかっただけで、メーカーが隠しているとは限りません。書けるのは「私は見つけられなかった。だから公式を見てほしい」までで、その一線は越えないことにしました。

ただの「調査中」が「理由のある表示」に変わると、表の印象がずいぶん違います。「分からない」ではなく「こういう事情です」と言えるのは、小さいことですが気持ちがいいものです。

並べ替えで、値段不明の行が先頭に来る問題

もうひとつ、地味に困ったのが並べ替えでした。

値段の高い順に並べ替えたとき、金額を持っていないオープン価格や「公式で確認」の行が、先頭にずらっと並んでしまうのです。内部的に「不明」をとても大きな数として扱っていたのが原因でした。値段で並べたい人が知りたいのは金額のある製品の順番であって、値段の分からない行が一番上に来るのは邪魔でしかありません。

そこで、値段が不明な行は、昇順でも降順でも常に末尾へ回るようにしました。安い順に見ても高い順に見ても、金額のある製品が先に並び、オープン価格と「公式で確認」は最後にまとまります。この直しは実装をAIに任せて、私は動作確認の係に回りました。

並べ替えを何度か試して、安い順でも高い順でも不明分が下に沈むのを確認しました。

振り返り

今回の作業は、表のマス目をいくつか埋めようとしただけのつもりでした。それが「定価とは何か」を考え直すことになるとは思いませんでした。

商品の値段というのは、どこかに必ず「正解の一つの数字」があるものだと思い込んでいました。実際には、決め方そのものが商品によって違います。比較表を作るというのは、数字を並べる作業ではなく、こういう事情の違いをどう見せるかを決める作業なのかもしれません。

分からないものを分からないまま放置せず、「なぜ分からないのか」まで書く。この3通りの表示は、すでにほかのグッズ比較ページにも広げてあります。これから増やす比較ページでも、同じ方針を続けるつもりです。


← 他の制作記を見るトップお問い合わせ