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この制作記の文体を、少しずつ決めていった話

公開: 2026-06-17 · #60 / 最終更新: 2026-06-17 制作記ブログ文章

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ツール工房.ai の制作記を書き始めたころ、ひとつ地味に迷っていたことがありました。

「これ、どういう文体で書けばいいんだろう?」

ツールを作った記録を残したい、という気持ちは明確にありました。でも、いざ書き始めると、どんな言葉で書くべきかが定まっていなくて、最初の数本はずいぶん手探りでした。

最初は「それっぽく」書こうとしていた

無意識に、技術系のブログっぽい文体を選んでいた時期があります。

「本実装では〇〇の方式を採用し、〇〇との連携によってデータを同期しています」みたいな書き方です。

書いているときは「なんか、ちゃんとしてる感じがする」と思っていたのですが、しばらく経ってから読み返してみると、書いた本人が読んでも「これ何のこと?」となる部分がありました

仕組みをきちんと理解しないまま、なんとなく技術っぽい言葉を並べていただけだったと気づきました。

これはまずいな、と感じました。

「分かっていないことは、分かっていないと書く」に決めた

そこで方針を変えました。

分からないことは「分かっていない」と書く。仕組みが完全に理解できていないなら、「正直、仕組みは全部理解しているわけではありません」と素直に書く。

技術系のブログを読んでいると、「当然知っているでしょ」という前提で話が進むことがあって、素人には少しつらいときがあります。自分のブログでは、そういう書き方は避けたいと思いました。

私はプログラミングを学んできたわけではないので、書けることは「この部分でつまずいた」「こう伝えたら形になった」という体験の記録だけです。私がやったのは、コードを書くことではなく「どこが不便か」を伝えることでした。 そういう人間が書くブログとして、等身大で書く方が誠実だと思いました。

「専門用語」をどう扱うか

もうひとつ悩んだのが、専門用語の扱いです。

ツール作りをしていると、どうしても技術的な言葉が出てきます。でも、そのまま使うと読者も自分も混乱してしまう。かといって全部言い換えるのも難しい。

今は、できる範囲で自分の言葉に置き換えることを心がけています。「サイトを置いておく場所」「ネット上の小さなメモ帳」のように、仕組みを知らなくても伝わる言葉を探す。それが難しい言葉は、「詳しくは分かっていないのですが、〇〇らしいです」とはっきり書く。

専門用語はあとから少しずつ覚えました、というのが今の自分には一番正直な表現です。

「たぶん」「らしい」を使ってもいい

以前は、「たぶん」「らしい」「〇〇かもしれない」といった言葉を使うと、なんだか頼りない文章になる気がして、避けていました。

でも今は、これを正直さの表現として使う、という考えに変わりました。

確かめていないことを断言しない。体験したことは体験として書く。分からないことは分からないと言う。これが今の方針です。

「Claude Code に『こうしたい』と伝えたら、形にしてくれました」という書き方も、技術の解説ではなく「こういう体験だった」という記録として書いているつもりです。実際にやってみて、意外だったのは、こういう素直な書き方の方が、読んでいる人に伝わりやすいと気づいたことでした。

「嘘をつかない」が素人ブログの強みかもしれない

専門家が書くブログは、正確さや情報の幅広さで優れています。私にはそれはできません。

でも、「このとき何につまずいたか」「どこを直したら動いた気がしたか」は、体験として書けます。正確ではないかもしれないけれど、嘘はついていない。

「正直、仕組みは全部理解しているわけではありません」と書けることが、むしろ素人ブログの誠実さだと今は思っています。

上手に書こうとすると、知らないことを知っているように見せようとしてしまう。でも、それより「こういう体験をしました」という記録の方が、長く読める文章になる気がしています。

文体は今もまだ更新中

この方針に落ち着いてからも、書くたびに迷いは出てきます。

「ここはもう少し詳しく書いた方が伝わるか」「この言葉、難しくなりすぎていないか」。そういった問いに向き合いながら、少しずつ「自分なりの書き方」が固まってきている感覚はあります。

「分かっていないことは、分かっていないと書く」。シンプルですが、これが今いちばん大切にしているルールです。

文体のルールというと大げさに聞こえますが、要するに「試行錯誤の記録を、試行錯誤した人間がそのまま書く」ということです。それだけなのに、たどり着くまでに意外と時間がかかりました。


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