三つに分けたデータの三つ目を読み忘れて、5万件が地図から消えていました
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件数が、急に減りました
おでかけ先の地図は、データがかなり大きくなってきたので、ファイルを分けて保存しています。一つにまとめておくと読み込みが重いからです。
あるとき、画面に出ている件数を見て、違和感を持ちました。前に見たときより、明らかに少ないのです。減るような作業をした覚えはありません。
調べてみると、5万件ほどが丸ごと地図から抜けていました。
「二つ読む」と書いてありました
原因は、あっけないものでした。
データは三つに分けて保存してあります。ところが、読み込む側は二つぶんしか読んでいませんでした。分ける処理と読む処理を別々に書いていて、分けるほうが三つに増えたとき、読むほうは二つのままだったのです。
しかも、読み込みは正常に終わります。二つぶんは読めているので、エラーは出ません。地図も動きます。ただ、三つ目に入っていた地域が、まるごとこの世に存在しないことになっていました。
気づけたのは、件数を画面に出していたからでした。当時の画面は、読み込めたデータをその場で数えて出す作りだったので、読み忘れたぶんだけ数字が減って見えたのです。もし出していなければ、私は減ったことにすら気づかなかったと思います。
地図というのは、載っていないものが見えません。抜けた地域を開いても、そこは「静かな地図」に見えるだけで、欠けているようには見えないのです。足りないものは、地図を眺めているだけでは見えてこないので、数字がいちばんの手がかりでした。件数の表示は利用者向けのつもりで置いたものでしたが、実際には私の命綱でした。
「あるだけ全部」に直しました
直し方は簡単で、読み込む数を決め打ちで書くのをやめました。そこにあるファイルを全部読む、という形に直しました。これなら、分ける数が四つになっても五つになっても、読むほうの数だけを直し忘れる、という事故は起きにくくなります。
ついでに、読み込んだあとの件数が前回より大きく減っていたら気づけるよう、目印になる数字も持たせるようにしました。このデータで件数が大きく減るのは、たいてい何かが壊れたときです。 増えるほうは疑わなくていいので、減ったときだけ気にすればいい。
学び・「数を書く」ところは、いつか合わなくなります
今回の学びは、変わりうる数を決め打ちで書いた場所は、いつか現実とずれるということでした。
書いた時点では正しいのです。実際、二つだった時期があります。問題は、片方が増えたときに、もう片方も直さなければならないと誰も教えてくれないことでした。私が両方を覚えているうちは大丈夫ですが、覚えているうちに増えるとは限りません。
同じ形の場所が他にもないか、少し探してみました。数を書いてある場所、順番を前提にしている場所。いくつか見つかって、そのたびに「あるだけ全部」に直しています。地味ですが、未来の自分の記憶力を当てにしないというのは、たぶんいちばん効く作り方です。
もうひとつ、今回いちばん背筋が寒くなったのは、5万件が抜けていた期間がどのくらいだったか分からないことでした。件数を見て気づいただけなので、始まりの時点はたどれません。もしその間に、その地域を探しに来てくれた人がいたなら、そこには何もないように見えていたことになります。壊れたことより、壊れていた時間が測れないことのほうが、あとから効いてくると思いました。
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