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前の日に直したはずの安全対策が、勝手に元へ戻っていました

公開: 2026-09-17 · #153 / 最終更新: 2026-09-17 個人開発失敗談端末運用うっかり防止

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走らせる前に、中身を見てよかった

週に一度のデータ更新は、決まった手順をダブルクリックで走らせるだけ、という形にしてあります。いつもなら何も考えずに実行します。

その日は、直前に大きな工事をしたばかりだったので、なんとなく中身を開いてみました。開いて、固まりました。前の日に「ここは危ないから」と直したはずの部分が、元のままだったのです。

その部分は、引っ越し前の古い公開先へ直接反映してしまう処理でした。工事のあとにそこを走らせたら、古い公開先へ再び中身を反映してしまうところでした。せっかく片付けた引っ越しを、自分の手で巻き戻すところでした。

「手元が古い」のではなく「戻っていた」のです

最初は、手元のファイルが最新でないのだろうと思いました。よくある話です。

ところが、よく見ると様子が違いました。私が前の日に直した記録はちゃんと残っています。なのに、ファイルの中身だけが直す前の姿に戻っている。しかも、同じ現象が4か所のツールで同時に起きていました。ひとつだけなら私のうっかりで説明がつきますが、4つ同時となると話が別です。

犯人にたどり着いたときは、正直「そこか」と声が出ました。クラウド同期です。

私は2台のパソコンを日をずらして使っていて、作業用のフォルダはまるごとクラウドで同期しています。そのフォルダの中には、作業の履歴を管理するための、普段は目に入らないファイル群も入っています。同期の仕組みは中身の意味など知りませんから、それも当然のように運びます。そして2台の間で食い違いが起きるたびに、食い違った片方を別名で残した、控えのファイルを静かに作っていました。数えてみると、2台を交互に使っている周期に合わせて、週に1つくらいのペースで溜まっていました。

その食い違いの結果として、履歴の管理が中途半端な状態になり、直したはずの中身が古い姿で顔を出していた、というのが顛末でした。

便利な仕組みが、別の便利な仕組みを壊していました

面白いというか、こわいのは、どちらの仕組みも正しく動いていたことです。

クラウド同期は「フォルダの中身を2台でそろえる」という仕事をきちんとやりました。履歴の管理も、渡されたファイルの通りに状態を組み立てました。どちらもさぼっていません。ただ、片方が管理しているファイルを、もう片方が勝手に運んでいたというだけです。

自分で作ったものが自分で壊れたなら、まだ探しようがあります。でも今回のように、二つの正しい仕組みが噛み合って壊れると、どちらを見ても異常が見当たりません。原因を探す足がかりが、驚くほど少ないのです。

この同期と履歴管理の取り合い自体は、iCloud Drive 同期トラブルの落とし穴メモに書いた落とし穴の、いちばん実害に近づいた形でした。結局このあと、履歴のフォルダごと作業場所を同期の外へ移すことになるのですが、それはまた別の話です。

学び・自動で走るものほど、走る前に中身を見ます

対処としては、溜まっていた控えのファイルを片付けて、4か所とも正しい中身に戻しました。古い公開先への誤反映もせずに済みました。

ただ、今回いちばん効いたのは仕組みではなく、「なんとなく中身を開いた」という気まぐれでした。それが唯一の防波堤だったというのは、あまり褒められた状態ではありません。

なので、決まった手順をダブルクリックで走らせるようなもの——つまり中身を見ないまま実行するのが前提のものほど、実行前に一度だけ中身を確かめる、という手順を挟むことにしました。手間としては数十秒です。数十秒で「引っ越しを自分で巻き戻す」が防げるなら、安いものだと思いました。


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