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診断結果でイオンモバイルだけ不自然に安かった話

公開: 2026-08-02 · #107 / 最終更新: 2026-08-10 個人開発失敗談デバッグスマホ料金比較

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ツール工房.ai には、利用条件を入れるとおすすめのスマホプランと目安の月額を出してくれる「スマホプラン診断」があります。ギガ数や通話の量などを答えていくと、条件に合うプランを提示する、という素朴な作りのツールです。

この診断、中身は料金データとの突き合わせなので、データか読み取りのどこかが狂うと、平気な顔で間違った答えを出します。しかも見た目は正常なんですよね。エラーも出ないし、画面も普通。だからこそ怖いなとずっと思っていて、あるとき、条件をいろいろ変えながら結果を見比べてみることにしました。

条件をいろいろ変えて、結果を見比べてみた

やり方は単純で、診断に入れられる条件を変えながら、出てくる「おすすめプランと目安月額」を一覧にして見比べる、というものです。この診断の質問は「毎月のデータ量」と「通話の量」の2つだけなので、その組み合わせを総当たりで振って、結果を並べていきます。

私一人で手入力していたら日が暮れるので、この総当たりの点検は AI に任せました。条件を振って結果を集め、数字の整合まで機械的に突き合わせてもらう、監査のような走らせ方です。

こういう点検は、一件ずつ丁寧に見るより「大量に並べて異常値を探す」ほうが向いていると思います。人間の目は、正しい金額を暗算するのは苦手でも、ずらっと並んだ数字の中の「一つだけ浮いているもの」を見つけるのは案外得意なんですよね。

正直なところ、最初は「どうせ何も出ないだろうな」と半分思っていました。ところが、点検の報告に一件だけ、見過ごせない指摘が挙がってきたのです。

イオンモバイルの「長電話する人」だけ妙に安い

引っかかったのは、イオンモバイルでした。「長電話する人」向けの条件のときだけ、合計金額が他の組み合わせと比べて不自然に安いのです。

長電話する人向けの結果には、通話定額オプション、いわゆるフルかけ放題の月額が上乗せされるはずです。それなのに、上乗せ分が明らかに小さい。ほかのブランドの同じ条件と並べてみても、そこだけぽっかり沈んでいました。

一瞬「イオンモバイルってそんなに安いんだっけ」と思いかけたのですが、公式の料金と見比べると、やっぱり合いません。ツール側が何かを読み間違えている、と当たりをつけて中を追いかけることにしました。

原因は、たった1行のズレだった

犯人は、通話定額オプションの料金表を読み取る処理でした。

料金表には「フルかけ放題」の行があって、本来はその行の金額を拾うべきです。ところが行の区切り方の作りが甘く、この行をうまく拾えていませんでした。そして間の悪いことに、表のすぐ下には「60歳以上は割引」という割引の行があったのです。

読み取り処理は、取り損ねた「フルかけ放題」の代わりに、この割引行の金額を定額オプションの料金として掴んでいました。割引の額はかけ放題の月額よりずっと小さいので、合計が不自然に安くなっていた、というわけです。

原因が分かってみれば、なんてことのない話です。表の読み方が1行ズレていた。それだけのことで、診断は涼しい顔をして間違った月額を出し続けていました。

行の区切りと「かけ放題」の見分け方を作り直した

修正では、その場しのぎで金額だけ直すのはやめて、表の行の区切り方と、「これはかけ放題の行か、それとも割引の行か」を見分ける判定の両方を作り直しました。

割引行を掴んでいたということは、区切り方と判定のどちらにも穴があったということです。片方だけ塞いでも、料金表の書き方が少し変わればまた別の行を掴みかねません。「かけ放題」という言葉を含むかどうかだけでなく、割引や注記の行を定額料金として扱わないように、見分けの条件を整理し直しました。

直したあとは、同じ条件でもう一度確かめて、イオンモバイルの金額が他のブランドと自然に並ぶことを見届けました。修正そのものより、この「直った状態を同じやり方で確認できる」ことのほうが、大きな収穫だったかもしれません。

今回のズレは、データの読み方の1行ズレだった

こうやって結果を並べて見比べていなかったら、このズレには気づけないままでした。長電話する人がこの診断を信じてイオンモバイルを選んでいたら、想定より高い請求に驚かせてしまうところでした。

今回の教訓を一言でまとめるなら、「おかしい結果が出たら、凝ったバグを疑う前に、表のどの行を掴んでいるかを見る」です。少なくとも今回は、それで一発で説明がつきました。

そしてもう一つ。たくさんの結果を並べて見比べるやり方は、バグを直してはくれませんが、「おかしさに気づく入口」をくれます。一覧の中の一箇所に目が止まる、あの瞬間がなければ、このズレは今も静かに動き続けていたはずです。ときどきこうして結果を見比べるのは、これからも続けようと思っています。


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